xx ブーツを履いて、街に出よう。†Gone with the fiend~ロックばかり聴いてちゃダメよ! 忍者ブログ
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Kinky Boots は2005年制作のイギリス映画。タイトルを直訳すれば「変態ブーツ」だが、この用語は辞書にこそ載っていないものの、ある種の嗜好を満足させる靴として知られる名称。
最近のファッション用語ではいわゆるサイ・ハイブーツである。

イギリス北部の田舎町ノーザンプトンに代々続く、老舗靴メーカー。 だが昨今の社会変化の影響を受け、倒産の危機に瀕する。
跡継ぎであるチャーリーは父の死を受け社長に就任するも、アイデアもなくただ従業員の首を切り、手をこまねいていた。
そこに一人の従業員が口走った一言「路線変更」がキッカケとなり、”ある日の出来事”を思い出して、ダメ社長が打ち出した経営立て直し方針、それは・・・・。

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
突拍子も無いストーリーに見えるが、事実をもとに脚色されている。
準主役のドラッグクイーンを演じたキウェテル・イジョフォーが最高の演技で魅せる。本物のドラッグクイーンじゃないのかと思ってしまう程だが、本来は伝統的な役も演じる、舞台俳優。
ド派手なナリで歌って踊って、セクシー持論をぶちまける。身のこなしの軽さに引き込まれてしまう。



田舎町の連中は当然のごとく“彼女”に偏見を抱くが、女性のほうがすぐに慣れて、男性はいつまでたっても偏見を捨てきれない。これはどこの社会でもそうなのかも知れないと思う。

ただ、ロンドンにあっても、女装者が簡単に受け入れられる訳ではないだろう。

よく聞く話が、日本は比較的、オネエサマ達に寛容であるということ。例えば韓国では、彼女達が堂々とテレビ出演するなど、考えられないのだそう。(うんまあ、そうでしょうね)
それでも欧米に比べれば、アジアは偏見が少ないように思える。(これは何故なのでしょうか。仏教思想がそうさせるのか?)

劇中に使われている音楽は、1930~80年代まで幅広い時代から選ばれた、ダンスミュージックやロック、ソウル。ローラを演じるキウェテル・イジョフォーの歌唱力も中々で、ちょっとしたミュージカル趣向だ。

・・・と思ったら、ブロードウェーでミュージカル化が進められているそう。
2010年時点での情報では、シンディ・ローパーが音楽担当に名を連ねている。

身近な経済を立て直す実話といえば、同じイギリス映画の「フル・モンティ」がある。
これらに限らず、イギリス映画には労働者階級を扱ったものが目立つ。それだけに実社会でも問題が山積していて、未だに立ち直っていない部分が多いのだろう。
また英国伝統の手工業は安物の輸入品に押されており、映画で取り上げられている靴産業も例外ではない。

ローラとチャーリーの姿から、観る人なりのメッセージが受け取れるだろう。
頭でっかちにならずに、いかに偏見を捨て、思考を転換することが重要か。
他人に対する偏見は、実は自分自身に対する偏見でもある。
「一体どうすりゃいいのさ?」と言う暇に、動け、動け!

なんて、難しい解釈は要らないのだが。

観れば絶対、パワーをもらえる。こういう映画は、知らないと人生を損した気がする。
「まだ“どっちにするか”気持ちが決まらない、アナタへ!」

Kinky Boots: Cyndi Lauper to write Broadway musical

Factory fact or film fiction?(BBCアーカイブ記事)
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