xx すごいじゃないか、ワトソン君。†Gone with the fiend~ロックばかり聴いてちゃダメよ! 忍者ブログ
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映画界はイギリス流行りなのかしらん、と思うほど、イギリスが舞台の映画が続いている。公開中 4月17日からの『アリス イン ワンダーランド』、もうすぐ公開が始まる 23日からの『ウルフマン』。いずれも古くからある物語がモチーフだ。
シャーロック・ホームズ』はもちろん、作者の名前 アーサー・コナン・ドイル を知らなくても、タイトルなら誰でも知っている名作をベースにしている。
実は原作を読んだことのない自分にとって、ホームズとは「理性的で、お上品、激するなど一切ない、スマートな探偵」であったが、それはだいぶ後で作られたイメージのようだ。

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
監督はガイ・リッチー。彼といえばロック ストック&トゥースモーキング バレルズ』である(独断です)。映像はスタイリッシュだしリズム感が素晴らしく、すごくロックンロールな映画を撮る人なのだ。

シャーロック・ホームズのようなクラシック作品を、どこまでクールに仕上げるのか、最も期待していたところだった。

大筋はもちろん名探偵の推理で事件を追うものだけど、ホームズ口下手・変人・マッチョなキャラクターであり、相方として知られるワトソン君は、いままで何となくとぼけた人物像にとられていた感じもあるが、この映画では正反対で、むしろホームズより理知的である。
BBC製作(?)の、NHKで何度も放送されたドラマの印象が強く残るが、あれで見るような「どうだねワトソン君?」なんて台詞は一切でてこない。教授と助手のような関係ではなく、タフな男同士の会話だ。

舞台である世紀末ロンドンの、腐ったような空気感とか、地下世界的な堕落が映像から溢れていて、それはたまらなく魅力があった。
リッチーはああいった色合いを作り出すのが上手い。

この映画で、ロンドンの風景や名所を楽しもうと思ったら間違いだ。そんなもの殆ど出てこないし、かのウェストミンスターでさえ、やっとクライマックスに登場するくらい。

話の展開が読みにくい風もあったが、謎解きは最後にちゃんと用意してくれる。
2時間以上
かけて事件は終焉を迎えた・・・はずなのだけど、どう考えてもこの映画、続きがある

ホームズの宿敵といえばプロフェッサー・モリアーティ。原作を読んだことがなくても、そのくらい知っている。なのに奴とは、存在を認めたくらいのところで終わっている。そして近年の映画は殆どが、続編ありきで作られているのもまた事実。
そういったことを踏まえても、一つの作品として観て成り立つものだし、多くの人がもつホームズ像をひっくり返してくれる点でもかなり面白いのではないかと思う。


余計なお世話だが、字を読むのが死ぬほど辛い人でない限り、字幕版をお勧めする。どの映画でも言えることだけど、原語でなければ台詞の持つリズムや感情表現のニュアンスとか、一切分からないし、吹き替えでは一気に安っぽいテレビドラマのようになってしまうからだ。
字幕も「おい、ここ端折ってどうすんだ」と突っ込みたいのはあるが、やはり映画は言葉の持つ雰囲気を大事にしたい。
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